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労務・人事Q&A

< 改正パートタイム労働法 >

平成20年4月1日から改正パートタイム労働法が施行されます。誤解している人もいますので、正しい内容を分かりやすく説明いたします。


 

Q、改正パートタイム労働法は、どうして必要だったのでしょうか。

A、仕事の内容や責任等が全く正社員と同じなのに、賃金等の待遇が正社員に比べて著しく低いパートタイム労働者がいます。また、パートタイム労働者として採用されると正社員になることが難しいという問題も発生しています。このような問題を解決するために今回の法改正が施行されることになりました。


Q、当社にはパートタイマーはいませんが、何か注意することはあるのでしょうか。

A、パートタイマーは、いなくてもアルバイトで採用している人はいないでしょうか。また、準社員という名称で通常の正社員より短い勤務時間の人はいないでしょうか。両方ともパートタイム労働法の対象となります。それ以外にも、嘱託、契約社員、臨時社員などもこのパートタイム労働法の対象となります。


Q、今回の改正の大きなポイントについて教えてください。

A、企業の人事担当者が知っておくべき改正のポイントは大きくは3つになります。@労働条件の文書の交付・待遇の説明義務A均衡の取れた待遇の確保B通常の労働者への転換の推進の3つです。


Q、労働条件の文書の交付とは、具体的にはどのようなことでしょうか。当社では、パートタイマーの採用時には口頭で労働条件の説明をしています。

A、今回の法改正により新しく、「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」の三つを文書の交付等により明示することが義務化されました。これは、例えばパートタイマーに賞与が支給されるかどうかが分からないことなどのトラブルを未然に防ぐ目的です。
このようなトラブルを防ぐために、上記の3つの有無をパートタイマーの採用時に文書でしっかりと説明することが義務とされたのです。口頭だけでは法律違反となります。
また、既に労働基準法ではパートタイム労働者も含めて、労働者の採用時には、労働条件を文書で明示することが義務付けられている項目があります。「契約期間」「仕事をする場所と仕事の内容」「始業・就業の時刻や残業の有無、休日・休暇」「賃金」「退職のルール・どのような場合に解雇となるか」などです。
今回の法律の改正はこの労働基準法の文書の明示義務に、先に説明した3つの項目が追加されたのです。


 

Q、パートタイム労働法には罰則はあるのでしょうか。

A、労働条件通知書等を交付していない場合は、労働基準監督署の調査が入ると労基法違反として30万円以下の罰金となります。また、パートタイム労働法に決められた「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」を文書で明記してパートタイム労働者に説明しなかった場合は罰則として10万円の過料の支払いとなります。


Q、当社では雇用契約書を交付していますが、労働条件通知書でないといけないのでしょうか。

A、前記の三つの内容を文書の交付等により明示していれば、書類の名称にはとらわれません。労働条件通知書、雇用契約書、雇い入れ通知書等のいかなる名称でも良いのです。


Q、正社員と同じ仕事をしているパートタイム労働者は同じ給料にしないといけないと聞きましたが本当でしょうか。

A、職務および人材活用の仕組み・運用等が正社員と同じで、契約期間が無期であるパートタイマー労働者については、賃金・教育訓練・福利厚生施設その他の待遇について正社員と同様の待遇をすることが義務とされました。パートタイマーという呼びかたの違いだけで、これらの項目がすべて正社員と同じであれば、同じ待遇にしなければなりません。
ところで、私たちの業界の仕事では、大きなトラブル対応や重要なメンテナンス、現金管理、釘調整等は正社員だけの仕事となっているケースが多いはずです。つまり、全部の仕事が同じではないときは給料の差があっても良いのです。
また、正社員だけに転勤や部署の異動があるというケースでも人材活用の仕組みがパートタイマー労働者と違うので、給料の違いがあっても良いという理由になります。そして、契約期間がパートタイマー労働者は半年や1年間の有期契約で限定されていることがほとんどですが、これも無期契約である正社員との待遇の違いがあっても良いという理由とされます。


Q、パートタイマーで採用した人にも賞与や退職金の支給をしなければならないそうですが本当でしょうか。

A、このような誤解をする人がいますが、改正パートタイム労働法はパートタイマーにも昇給をして、退職手当を支給し、賞与も支給しなければならないというものではありません。例えば、パートタイマーには賞与を支給しないのであれば、「賞与支給無し」と明記した文書(労働契約書など)を交付しておけば良いのです。


Q、パートタイム労働者が正社員を希望するときは、正社員に採用しなければならないと法律には書いてありましたがどういうことでしょうか。

A、正社員への転換推進措置として、次のいずれかを実施することが義務化されました。すなわち、@登用試験制度等正社員への転換制度を設けること等の転換推進措置を講じること、A正社員を募集する場合、その募集内容をパートタイマーに周知すること、B外部に募集をかける前に、当該配置の希望を申し出る機会をパートタイマーに付与(いわゆる優先的応募機会の付与、社内公募制等)することです。
これは正社員としての勤務を希望していながら、やむを得ないでパートタイマー労働者として勤務している者に、正社員としての採用のチャンスを与えて欲しいという意図があります。
しかし、会社はパートタイマーで希望する人をすべて正社員にしなければならないということではありません。会社には採用の自由がありますので、正社員としてはレベルが低い場合は正社員採用をする必要はありません。


Q、人事担当者ですが、具体的に行うべき業務は何があるのでしょうか。

A、人事担当者はパートタイマーに交付している労働契約書等に、上記の明示すべき項目が記載されているかどうか確認しましょう。また、パートタイマーに労働条件通知書を交付していないのであれば、これを機会に交付するようにしましょう。
そして、正社員とパートタイマーの労働条件の区別をするために、パートタイマー就業規則の作成をしなければなりません。これはパートタイマーとの労働条件のトラブルが発生したときに、会社を守るリスク対策になるからです。


Q、労働条件通知書のモデルフォームの作成などを相談したいのですが、誰に相談したら良いのでしょうか。

A、顧問の社会保険労務士に相談しましょう。御社の就業規則に合わせた労働条件通知書の作成をしてくれます。
私のコンサルティング先でも、その会社に合わせた労働条件通知書を作成して交付するように指導しています。会社とパートタイマー(または正社員)との労働トラブルを防ぐ効果があります。このようなこともアドバイスできるように人事セミナーを東京で開催する予定です。詳しくは藤崎敏郎事務所ホームページの最新セミナーのご案内をご覧ください。


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