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労務・人事Q&A

<職場の法律の基本>

 

(解説)

  職場の法律にはいろいろなものがあります。中心となるのは労働法になります。労働法とは、労働基準法をはじめとする労働に関する法律の総称です。単独で労働法というものがあるわけではありません。労働基準法や雇用保険法、労働安全衛生法、最低賃金法など役割やコンセプト別にたくさんの労働に関する法律が存在します。今回は労働法の全体像を特集しました。


Q、労働基準法とはそもそもどのようなものですか?

A、労働法の中でもその基礎となるのが労働基準法です。簡単にいうと個別の労使関係(働く人と経営者の関係)において、労働者を保護するために国が労働条件の最低条件を定めたものです。だから、罰則も事業主(会社)に対するものばかりです。1日の労働時間は何時間なのか、いつといつが休日なのか、またどのようなときに解雇になるのかについて、労働基準法で規制しているのです。例えば労働基準法では一日の労働時間を 8 時間としています。これを法定労働時間と言います。


Q、労働法は守る必要がないという人もいますが、何か問題となることはありますか。

A、守らなかったことによりさまざまなペナルティーが課せられることになります。例えばある社員が残業手当の付かないことを労基署に相談したとしましょう。そこで労働基準監督官が重大な問題があると判断した場合は、調査に入ります。そして、タイムカードや賃金台帳をチェックした結果、違反があると判断すると是正勧告を出します。このケースの場合は 2 年間にさかのぼって給料を再計算して残業代を支払うように言い渡されます。これを無視すると懲役や罰金の判決となることもあります。

 もちろん、さかのぼって支払うことは大変ですが、しかし、もっと大切なことは労働者と経営者が信頼できる関係がないと企業の業績の向上も難しいということです。労働法を守ることは労使関係の信頼を築く最低条件と言えるでしょう。


Q、労働基準法はどうして労働者の味方のような法律となるのですか。

A、労働者と使用者は法律では対等な立場で労働条件などを定められることになっていますが、採用するのも、解雇するのも使用者です。さらに会社の規則である就業規則の作成も、法律の基準以下でなければ使用者が決めてよいことになっています。

  このようなことから、使用者に有利な労働条件が定められがちなので、使用者と労働者が対等な立場にあることはなかなか難しくなります。だから労働者保護の目的で労働基準法があるのです。


Q、先日、労働基準監督署の調査があり、労働安全衛生法違反と言われ、はじめてこのような法律があることを知りました。これはどんな法律なのですか。

A、簡単にいうと、職場で労働者が安全に健康で仕事ができることを定めている法律です。快適な職場環境をつくることもこの法律で定められています。例えば社員に健康診断を受けさせる義務はこの法律で定められています。もし、受診させていなかったらこの法律の義務違反となります。労働基準監督署の調査では、この労働安全衛生法違反が続出しています。

  特に昨今は、安全配慮義務違反として、使用者責任が問われるケースが多くなっています。有名な電通事件では会社が安全配慮義務違反による損害賠償として約1億 4000 万円の支払いをしました。社員を安全に健康で仕事をさせる義務が会社にはあるのです。パチンコホール企業では、最大のリスクの一つがこの法律で定められている安全配慮義務違反です。この法律は人の健康ひいては命に関わることなので、経営者はよく学んでおかなければなりません。基本的にどの法律も知らなかったでは済まされないものですが、労働安全衛生法は特に済まされないと思っておくとよいでしょう。


Q、パチンコホール企業の本社に勤務する営業部長ですが、労働基準法以外にはどんな法律の知識が必要ですか。

A、先の質問の労働安全衛生法は是非とも電通事件の判例を読んでください。今年法律の改正がありましたので、おそらく労働基準監督署の調査の重要なテーマとなります。また、社員の健康診断は必ず行うようにしましょう。

  それから、店舗を指導する営業部長であれば、男女雇用機会均等法、育児介護休業法、雇用保険法、労働者災害補償保険法、労働者派遣法、健康保険法、厚生年金保険法、高年齢者雇用安定法、最低賃金法等の法律の知識が必要となります。


Q、男女雇用機会均等法とは、何のことですか。

A、職場における男女平等を目指す法律です。コース別の管理制度や配置・昇進等での男女差別を禁止しています。例えば男性を基幹職・女性を補助職として男女別賃金体系を作ることは禁止されています。そして、セクハラについての対策を講じることも定めています。


Q、労働者派遣法を簡単に教えてください。

A、まず派遣元の会社と派遣労働者の間で雇用契約を結びます。そして、派遣元の会社と派遣先の会社の間で労働者の派遣契約を結びます。それに基づいて、派遣先の会社の指揮命令を受けて、派遣労働者が労務の提供を行うことになります。この条件がそろっているときに「労働者派遣」と呼びます。

パチンコホール企業でも派遣社員の利用が増えています。派遣元と派遣先の会社のそれぞれの責任の違いを理解していないケースがあります。労働者派遣法に対する理解が今後さらに必要となるでしょう。


Q、育児介護休業法とはどのような法律ですか。

A、例えば女性従業員で産後に育児休業を取りたいと申し出があった場合は、法律で取らせる義務を定めた法律です。会社はこれを拒むことはできません。子どもが 1 歳になるまでは与えなければなりません。(保育園に入園できない等の理由で 1 歳半まで延長されることもあります)


Q、雇用保険法とはどのような法律ですか。

A、いわゆる失業手当を定めている法律です。その他、無職になったときに有利な条件で教育訓練を受けられることも定めています。また、育児介護休業中の補助などもあります。


Q、労働者災害補償保険法とはどのような法律ですか。

A、従業員が仕事中に発生した事故よってケガをしたり障害を負ったり、仕事が原因で病気になった場合に、労災に加入していると労災から治療費や生活費の補償等が出ることを定めている法律です。通勤災害でも労災が認められています。


Q、健康保険法とはどんな法律ですか。

A、政府が管掌している健康保険制度について定めた法律です。健康保険制度では個人の医療費の 7 割を負担しています。 3 割を自己負担して払うことになります。また、私傷病で会社を休んだときの生活保障や月々の医療費が高額に及んだときの補償、産前産後の休業に関しても補償があります。


Q、厚生年金法とはどんな法律ですか。

A、会社で働いている労働者の老後の年金の法律と言って良いでしょう。保険料の半分は会社が負担しているので従業員にとってのメリットは大きいです。また、老後だけでなく、死亡時、障害時にも補償があります。


Q、高年齢者雇用安定法とはどのような法律ですか。

A、高年齢者の雇用の安定を目的とした法律です。今年 4 月より、 65 歳までの雇用の継続等の措置等を取ることがスタートしました。


Q、最低賃金法とはどのような法律ですか。

A、国が賃金の最低額について基準を定めて、それ以上の賃金を企業が支払うことを定めている法律です。これは、地域別や職業別の最低賃金額が定められています。会社の取り決めで最低賃金額以下の賃金とすることはできません。


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