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< 国からもらえるお金〜労働保険・社会保険の制度より >

 労働保険や社会保険に会社が加入していると、社員や会社が国からお金がもらえる制度がたくさんあります。法律で決められた条件を満たすとお金が支給されるのです。でも、得することを知らないで、役所に書類を出さないともらえないものばかりです。


Q、会社が倒産してしまって給料が支給されない友人がいます。国が会社に代わって支給してくれる制度を利用したいと言っていました。何のことでしょうか。

A、それは「未払い賃金の立替払い事業」のことでしょう。会社が倒産して、そこに勤務していた社員の賃金が未払いになった場合には、労災保険の中に立替払いをしてくれる制度があります。
 例えば、急に会社が倒産してしまって社員の給料や退職金がもらえない状況が発生したとします。その時に、このような制度を利用すると本人に立替払いとして支給されるのです。社長が行方不明になっていたとしても支給されます。支給される金額の上限はありますが、給料と退職金の合計金額の約8割がもらえます。(未払いの給料が2万円未満の場合はもらえません。)正社員だけでなく、アルバイト・パート勤務の人も対象になります。
 担当の役所は独立行政法人労働者健康福祉機構です。近くの労働基準監督署でも問い合わせができます。
 しかし、労災保険の制度なので、労災保険に未加入の会社の社員・パート・アルバイトはこの補償が受けられません。労災保険に1年以上加入している会社であることがこの制度の適用の条件だからです。


Q、労災の補償は会社の仕事中にケガをしたときだけでしょうか。例えば、強盗犯人に暴力を受けて負傷や死亡をした場合でも、労災の補償は受けられるのでしょうか。強盗事件のニュースが多くて不安になることがあります。

A、強盗事件でも労災の補償があります。例えば、店舗の金庫の現金を狙った強盗犯人に社員が暴力をふるわれて負傷したとすると、この社員に労災の補償があるのです。内容は治療費と負傷して仕事を休む日数分の所得の補償です。万が一そのような事態が発生したら、すぐに労基署の労災課に相談しましょう。必要な書類の提出方法など教えてくれます。
 このような犯罪の例で、パチンコホールの店長に労災が認められた有名なケースがあります。パチンコに負けた客による放火で店長が死亡した事件です。営業中だったので、店長は遊戯客の避難誘導中に火災に巻き込まれて死亡しました。これを労基署が労災の認定をしたのです。このケースでは、労災の制度から遺族補償年金として毎年約200万円が遺族に支給されることになります。
 ただし、同じようなケースでも、労災未加入の企業だとしたら認定の対象とはなりません。労災の補償はないのです。会社が使用者責任を取らされて、遺族に補償をすることになるでしょう。事件に巻き込まれるケースが多い仕事なので、労災の加入は社員と会社を守るために必要でしょう。


Q、会社を辞めたら、失業手当がもらえると思っていましたが、もらえなかった友人がいました。なぜでしょうか。

A、平成19年10月より雇用保険の失業手当(正しくは基本手当といいます)が支給される条件が変わりました。会社に1年以上勤務していることが必要となったのです。これまでは半年の勤務でも支給されましたので、勘違いをしている人は多いと思います。これから退職する人は勤務年数が1年以上なければなりません。また、1年以上勤務していたとしても勤務時間の短いパートタイマー扱いだと雇用保険に加入していないケースがあります。法律では週の労働時間が20時間未満のパートタイマーは加入させなくても良いことになっているからです。その友人がもらえなかったのは、そのどちらかだと思います。
 それから、会社ができたばかりで雇用保険の制度に未加入の会社もあります。そのようなケースでも、会社が未加入なので、そこに勤務している社員は失業手当をもらうことができません。


Q、自己啓発でビジネスや経営の勉強をする人に、国が学費を援助する制度があるそうですが、詳しく教えてください。

A、雇用保険は、会社に在籍中でもたくさんの得する制度があります。例えば教育訓練給付金です。雇用保険に1年以上加入していると、厚生労働大臣が指定する講座の受講料の20%を雇用保険の制度から援助してくれるのです。
 例えば、受講料20万円の講座を受講して、終了すると4万円が支給されます。この援助金額の上限は10万円となります。これは同じ人が何回も利用できますが、2回目からは3年以上の雇用保険の加入期間が必要です。社労士講座、簿記講座、FP講座など仕事にも役立つ指定講座がたくさんあります。資格学校ではそのパンフレットも作成してありますので、利用することをお勧めいたします。なお、この権利は退職後の人でも1年以内なら利用することができます。
 手続きはハローワークで行います。とても簡単な手続きなので、ぜひとも利用して欲しい制度です。


Q、会社がお金をもらえて、得をするような制度はありませんか。

A、雇用保険には助成金の制度があります。これは、会社が雇用の促進や社員の福利厚生に役立つことを実行したときに、返済不要のお金がもらえる制度です。その内容は助成金活用ガイドブックや役所のホームページに掲載されています。インターネットで検索しても見つけることができます。
 多くの助成金がありますが、今年は改正パートタイム労働法が話題となっていますので、この助成金を紹介します。パートタイム労働者を正社員に採用する制度を作り、採用例が発生して申請すると30万円が支給されます。担当の役所は21世紀職業財団です。
 一昨年から学卒者が大企業に大量採用される傾向が顕著になっています。さらに若年者の労働人口の減少はこれからさらに進みます。出店を検討しているようなパチンコホール企業の人手不足はさらに激しくなります。その解決策の一つとして、パートタイム社員の正社員の転換は検討すべきことでしょう。
 もし、このような可能性があるのでしたら、まず事前に相談してみましょう。担当の役所では手続きの仕方や記載例などを詳しく教えてくれます。注意することは、相談をしないでパートタイムを正社員にしたケースでは助成金は支給されないことです。パートタイム関連の助成金はこれ以外にもありますので、うまく活用すると100万円以上になる会社もあると思います。


Q、赤ちゃんが産まれたら、お祝い金がもらえると聞きました。何のことでしょうか。

A、健康保険の制度で赤ちゃんが産まれるときにお金がもらえるものが二つあります。一つは出産手当金です。会社で健康保険に入っている女性社員が、出産のために会社を休むともらえるものです。本人の日給の約3分の2の金額が1日分としてもらえます。最大で、出産の日以前42日分と出産後の56日分の合計98日分がもらえます。例えば、日給が5,000円の女性が98日休むとします。一日分は5,000円×2÷3=3,334円となります。98日分だと3,334円×98日=326,782円となります。この制度は市役所等が行っている国民健康保険にはありません。会社で働いて健康保険料を払っている女性だけの特権なのです。
  もう一つは出産育児一時金です。お祝いとして35万円が健康保険の制度からもらえます。ただ、出産時の入院には健康保険は使えないので、その入院費用に立て替える人が多いようです。


Q、育児休業をしてお金がもらえる制度があると聞きました。教えてください。

A、雇用保険の育児休業給付金の制度のことです。育児休業をして会社から給料が支給されないケースでは、この制度から本人の給料の約30%が支給されます。これは男性でも適用があります。
 例えば、給料が30万円の男性が1ヶ月間の育児休業を取ると、30%の9万円が支給されるのです。また、この制度では給料の半額までを会社が支給していても、育児休業給付金がもらえることになっています。だから、会社が30万円の半額の15万円を給料で支給して、雇用保険の制度から9万円を支給してもらうことも可能なのです。本人の収入は15万円と9万円の合計で24万円となります。
 育児休業を取得する可能性がある場合は、事前にハローワークに相談しましょう。育児休業を開始する前に、指定された書類を提出しなければならないからです。
 パチンコホール企業の仕事は休日を取れないことが多いはずです。妻が出産後1ヶ月間はこの制度を利用して、男性社員に育児休業を取得させるような仕組みをつくるのはいかがでしょうか。社員の帰属意識が高まり、数字には表せない利益を生み出すはずです。また、妻の夫に対する愛情や会社に対する信頼も厚くなるはずです。


Q、児童手当って何でしょうか。子どもがいるともらえるのでしょうか。

A、児童手当法で最初の子どもを対象に1万円、二番目と三番目の子どもには5千円が支給される制度があります。子どもが小学校を卒業するまでもらえます。この手続きは市役所等で行います。手続きが遅れると、遅れた分の支給はカットされます。子どもが生まれたらすぐに手続きをしましょう。(所得制限があり、所得の多い人はもらえないこともあります)


Q、病気やケガで仕事を休むと国からお金がもらえる制度があると聞きました。本当でしょうか。

A、本当です。傷病手当金の制度です。この手続きは社会保険事務所で行います。会社の健康保険に入っていると病気やケガで4日以上休んで、その間給料が支給されないときに、4日目から1年6ヶ月の範囲内で、休んだ日1日につき、日給の約3分の2が支給されます。
 例えば、平均の日給が1万円の人が病気で30日間休み、その間の給料が支給されなかった場合の傷病手当金は下記のように計算されます。1日分は、1万円×2÷3=6,667円となります。30日分だと、6,667円×27日=180,009円(30日から最初の3日分は支給されないので、30日から3日を除いた27日で計算します)


Q、年金の保険料を払わなくても年金がもらえる人がいると聞きましたが、そのような得をする制度があるのでしょうか。

A、おそらく、第3号被保険者制度のことでしょう。サラリーマンの妻は国民年金の保険料を1円も払わなくても、保険料を払ったものとして夫の扶養でいる月数分の国民年金がもらえます。保険料を1円も払わなくても、最大で約80万円の年金の支給を受けることが可能です。夫であるサラリーマンが厚生年金の保険料を払っていることがその条件です。勘違いしている人がいますが、夫の厚生年金の保険料に妻の保険料が加算されているわけでもありません。
 ところで、同じ妻でも、夫が国民年金(自営業や無職の人など)の妻にはこの制度は適用されません。このような妻は、毎月の国民年金の保険料を払わないと年金の支給はないのです。


Q、年金の保険料を払えないときはどうしたらよいのでしょうか。

A、会社員の厚生年金の保険料は払わないで良いとされるケースはありませんが、自営業や無職の人が対象の国民年金だと免除申請をすることができます。収入がなくて、国民年金の保険料が支払えないケースなどです。これを行うと、年金の保険料を払っていないのですが、支払っている期間とカウントされます。年金は最低限25年以上の期間を払わないと支給されないので、重要なことなのです。実際には保険料を払っていないので、年金の金額は増えませんが、年金をもらえるための最低限必要な期間としてカウントしてくれるのです。25年の期間が必要なことを知らないで、無年金になる人が、これからさらに増えることが予測されているそうです。免除申請の受付は市役所となっていますので、相談することをお勧めします。


Q、年金の得する制度を教えてください。

A、厚生年金に会社が加入していると、それだけで社員は得しています。毎月の保険料の半分を会社が負担してくれているからです。それにより、自分の払っている保険料の2倍に対応する年金がもらえます。
また、自営業(一般的に魚屋・ケーキ屋などの商店主、無職など)の人は国民年金だけしかもらえませんが、厚生年金の加入者は、国民年金と厚生年金から年金がもらえるのでとても得なのです。
 昨今のニュースで65歳以上の高齢者の約半分が年金をもらえないで、生活保護を受けていることが報道されていました。この多くが国民年金だけの加入者だったそうです。サラリーマンとして通常の会社員生活を送った人は、生活保護以上の生活ができることは約束されています。国民年金と厚生年金の合計で毎月約17万円程度の年金の支給になるそうです。専業主婦の妻の分も合計すると、夫婦でもらえる年金の合計は約23万円になるというデータもあります。
 また、国の年金制度は老後だけでなく、若い時代に本人が障害者になったときや死亡したときにも補償があります。厚生年金はこのようなときでも国民年金だけの人より手厚く保障しています。例えば厚生年金に加入している夫が亡くなり、子どもがいる残された妻には遺族年金として約150万円程度が支給されます。


Q、この労働保険・社会保険の得する制度の相談は誰にすればよいでしょうか。

A、これ以外にも多くの得する制度があります。担当の役所は労基署・ハローワーク・社会保険事務所となります。電話もしくは直接訪問して相談しても良いでしょう。おすすめは、近くの社労士と顧問契約をすることです。会社の立場に立って、最新の情報を定期的に教えてくれるはずです。
 ところで、私の毎月発行している無料メルマガ「パチンコホール企業の労基法の基礎知識」でも今回のような得をする法律の制度を知ることが可能です。私のホームページから簡単にお申し込みできますのでご利用下さい。


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