ホーム > Q&A  > 問題社員・問題事例

労務・人事Q&A

<問題社員、問題事例について>

 

 ここ数年「問題社員」と呼ばれる人が急増しています。今は人使いの難しい時代です。また、 20 歳代でパチンコホールの店長を任されるケースもあるので、人事・労務管理は苦手な店長が多くなっています。店長をはじめとする店舗管理者は「労働法の知識」「労務管理の手法」「自社の就業規則」を知らないと問題社員の対応ができません。以下、いろいろなケースについて解説していきます。


Q.事情によりお金を貸してあげた従業員が突然いなくなって行方不明になりました。同僚にもかなり借金をしていたようです。身元保証人に連絡したところ、もう責任はないと断られました。何か手はないのでしょうか。

A. 採用時に身元保証書を取っていたとしても、その保証書の期間を定めていない場合は 3 年となります。期間を定める場合は 5 年までの期間を最大で定めることができます。身元保証人が責任はないというのは、この期間が終わっているということからでしょう。このような事態を防ぐためには身元保証書は最大の 5 年間の期限を定めて、かつ、期間満了時には更新しておくことが必要となります。なお、自動更新は無効となりますので、継続する場合は改めて身元保証書を取り直すことになります。


Q.身元保証書をとる場合の注意点は何かありますか。

A.注意点は責任期間が原則 3 年となること(期間の定めをすれば最長 5 年まで可能)、従業員の配置転換などがあった場合には会社は身元保証人に通知する義務があること、損害賠償額は、一般的には 3 割程度の損害賠償しか受けられないことがあります。


Q.先日採用した女性社員ですが、採用後に派手に茶髪に染めて来ました。どう対応すれば良いでしょうか。

A .毅然とした態度をとるべきです。一見して分かるほど派手なのであれば、会社の風紀を乱す就業規則違反となります。他の社員への影響も良くありません。下手に、部下に気を使いすぎると組織としてうまく機能しなくなります。就業規則違反として、改善の指示をしましょう。場合によっては、減給の制裁などもあることも話しましょう。もちろん、就業規則の服務規律には身だしなみについての規定があることが条件となります。

 また、このようなことを防ぐために「新人研修」で社会人の心構えから、挨拶、ビジネスマナーなどを教えましょう。そして、この研修の中で身だしなみについての重要性も教えることが必要です。接客業として、きちんとした身だしなみでなければならない理由を教えることによって「お店の代表として」ふさわしい身だしなみをしなければならないと自発的に思わせることができます。

  研修が行われていない店舗では、少なくとも朝礼やミーティングで身だしなみが大切な理由を教えるようにしなければなりません。それらを怠ったままで、就業規則違反の指摘をすると、社員の反抗心を芽生えさせ逆効果となることもあります。


Q.自社の店長が退職後に、近隣の競合会社に店長として勤務するようです。このようなことを禁止する方法はありませんか 。

A. 職業選択の自由が憲法に定められています。だから、原則としては禁止することは難しいことになります。ただし、社員と誓約書を交わすことにより、例えば 1 年間はライバル店への就職を禁止することも可能なケースがあります。このためには、就業規則に「競合避止義務」規定を記載して、さらに「誓約書」をとる必要があります。ところで、退職時にはこの「誓約書」を取るのは困難なケースが多いでしょう。だから、このような「誓約書」は入社時にとる会社が多くなっています。 ちなみに、誓約書の内容ですが、就業規則の遵守義務や機密保持義務も合わせて記載してあるものが望ましいでしょう。
 ただ、このようなケースの判例では職業選択の自由の原則を優先したものが多くなっています。本来はライバル店に行くことを禁止することはできないが、双方の合意の特約があるならば認められるケースもあるということになります 。


 

Q.営業課長がセクハラをするということで、総務の女性社員が困っています。何か対策はないでしょうか 。

A.それは大変ですね。実は、会社にはこのようなセクハラに対しても対処しなければならないという義務があります。その営業課長の上司に相談をするようにしましょう。また、何がセクハラかをその営業課長が分かっていないケースもあります。セクハラとなる基準はケースバイケースですが、「通常の女性が不快に感じること」が挙げられます。

 あきらかにセクハラとなるのは、(1)人事考課や処遇を条件に性的な誘いかけをする。(2)執拗に食事に誘うことや、付きまとうこと。(3)職場に性的なポスターやカレンダーを貼る。(4)プライベートや性的うわさを意図的に流すなどがあります。

 セクハラ対策は、就業規則にセクハラ禁止条文を記載して、教育をすることがあります。社内でのセクハラ防止セミナーの開催で、セクハラを行う怖さを知り、セクハラをしなくなった部長もいるそうです。


Q. 業務中の交通事故を起こした場合は、その過失の割合によって、本人から賠償額の一部を負担してもらうことにしています。仕事中の事故なので全額会社が負担すべきだという社員の意見がありますがどうなのでしょうか 。

A.結論からいうと問題ありません。例えば、交通法規に違反するような運転をしているケースでは、業務中とはいえ、会社が全額負担する必要はありません。会社が損害を被った場合にその損害の一部もしくは全額の負担をさせることは労基法でも問題とはなりません。ただ、上司の指示による無謀運転だったケースでは、認められないこともあります 。


Q.当社は店舗が遠隔地にあるので、本社社員には車を 1 台ずつ貸与して、自己管理をさせています。ところが、タイヤ交換のルールに従わないで、事故を生じさせた社員がいました。車は大破しました。この損害を請求して良いでしょうか 。

A.請求可能です。車両管理規定などの規則で管理が義務付けられているのに、その義務を怠った結果生じた損害であるので、従業員の過失は免れません。ただし、会社側としては、規定の厳格な実行がされていたという事実が必要です。事故を防ぐために会議等で安全運転の励行、車両管理の重要性を話し、重大事故の発生を防ぐ努力をしていた事実がないケースでは認められないこともあります 。


Q. 社員で飲み込みが悪い者がいて、いくら指示をしても間違ったことをします。何か良い手はないでしょうか 。

A.「新入社員トレーニング」の基本ですが、「復唱」させるという手があります。さらに、「メモ」を常時持たせて用件を記入させると良いでしょう。これは大きな効果があります。店舗や会社のルールとして、「メモ」と「復唱」を習慣化できると業績の向上にも貢献できます 。


Q. 上司の指示に従わない部下がいます。反抗的で間違った指示には従わなくて良いと言っているようです。どう対応したら良いでしょうか 。

A.就業規則の服務規律違反として、処罰することが可能です。上司には部下に指揮命令する権限があります。部下にはそれに従う義務があります。そのことにより部下は賃金を権利としてもらうことができるのです。だから、義務を果たさない部下は、権利としての賃金をもらうことができないということになります。ただ処罰の前に、カウンセリングをして本人と話し合うことが必要でしょう。それも労務管理では上司の大切な役割となります 。


Q. 店舗の社員が店舗の備品を勝手に持ち帰っているようです。金額的には些細なものばかりですが、どう対応したらよいでしょうか 。

A.店舗には、お客様用の備品や、業務で使用する道具などがあります。備品を管理するということは、実は、会社の利益を上げるためには、重要なこととなります。金額的には些細なものばかりとしても、このようなモラル違反は重大な違反につながるケースが多いのです。許可なく持ち出せば窃盗罪となります。また、就業規則には「許可なく会社のものを持ち出さないこと」が規定されているはずなので、就業規則違反となります。だから、当然に懲戒処分をすることができるのです。懲戒処分とは減給や、あまりにひどい場合は懲戒解雇までありえます。このようなことを社員に教えることから始めるのが良いでしょう。

 また、会社として経費節減の重要性を教育して、備品管理を徹底させることも防止 策になります。備品管理ノートを作成し、管理者を決めて節減効果を発表させることができるところまで教育する会社もあります。


Q.自社の店長ですが、有名大学を卒業したという触れ込みで採用しました。ところが、全く嘘だったことが分かりました。この場合は解雇することができますか 。

A. 結論としては、このケースでは解雇できます。そのような判例もあります。特に、パチンコホールでの仕事は、セキュリティーや防犯が企業の業績の重大な要素を占めています。そこの責任者である店長が経歴詐称をしているという事実は簡単に見過ごさないほうが良いでしょう。会社に対して嘘を言って、入社条件を良くするというのは明らかな不正なのです。このことは、さらなる大きな業務上の不正につながる可能性が大きいと言えます 。


Q .突然に無断欠勤をして、 3 日間連絡がつかない社員がいます。解雇の手続きをして良いでしょうか。

A 、原則として解雇は仕方がないと言えます。しかし、合法的に解雇をしなければ予期せぬトラブルを起こすケースもあります。しばらくしてから、この社員が会社にやってきて「解雇の無効だから、解雇予告手当を支払ってくれ」ということがありうるのです。これを防ぐには、「就業規則に無断欠勤が2週間以上続いた場合は退職扱いとする」という規定を記載しておくことが一つの防御策となります。このようなケースを想定しての「リスク回避型の就業規則」の作成がパチンコホール企業にも必要な時代となっています。


Q.自己都合退職をした社員から、会社都合退職をしたことにして欲しいという依頼がありました。変更に応じないとなりませんか。

A .これは断固として応じてはなりません。雇用保険の失業給付(基本手当)は会社都合だと自己都合より早く支給されます。また、勤続年数によっては給付日数も長くなることからこのような要求が出てくるのです。これを認めると違法行為として会社にも責任が発生して、不正受給として処分の対象になる恐れがあります。

 また、ハローワークで、自分から自己都合で退職していながら、会社都合でクビになったと嘘の申告をする者もいるようです。このようなトラブルの種を解消するためには、本人自筆の退職届の提出をさせて、それを保存しておくことが大切です。


Q .いつも朝礼に間に合わず遅刻してくる社員がいます。このような社員の対応はどうすれば良いでしょうか。

A.このようなケースではいきなり解雇はできません。まず、遅刻をした理由を報告させて、それを記録しておくことが必要です。始末書の提出をさせましょう。それでも、重ねて遅刻をするようなら、出勤停止・降格などの処分を取ります。これも始末書を取ります。それでも改善しない場合に、初めて解雇に妥当性が生ずることになります。

 ただ、遅刻にはそれなりの理由があるはずです。上司の役割として指導する義務もありますので、適切なアドバイスが効果を発揮することもあります。プライベートの時間の管理の仕方・食事・睡眠法など仕事以外のこともアドバイスするようにしましょう。ある会社では遅刻する社員に目覚まし時計のプレゼントをして、反省を促したそうです。


Q.当社の店舗の社員が、会社の不平や不満をいたるところで漏らしているようです。解雇できるでしょうか。

A .このようなケースで解雇できるかどうかは、社外での会社批判の程度や回数、注意しても改善しなかったかどうか、実際に損害を与えたかどうかなどで総合的に判断しなければなりません。もちろん、就業規則には懲戒事由として「会社の信用を失墜させる行為を行ったときは、懲戒に処する。」という規定がなければなりません。

 また、事実確認として本人から事情を聞く必要もあります。話を聞くとたいしたことはなかったという事例もあります。報告者が誇大広告をしていたり、おもしろおかしく話しをしていたケースがむしろ多いようです。


Q .通勤手当ですが、不正の届出をして多く受給している社員がいました。どのような対応ができますか。

A .通勤手当は労働法では支給の方法や額の規定はありません。会社の裁量で独自に決めることができるのです。このような不正受給のケースでは、過去にさかのぼって差額の請求をすることができます。また、会社に虚偽の報告をした就業規則違反として懲戒処分をすることができます。該当するのは減給処分や降格処分などでしょう。不正受給となるパターンとしては、@最寄り駅をごまかす。Aあえて遠回りとなる交通機関を利用すると届け出て、実際は近道を利用する。B会社に届け出ている住所とは別の場所から毎日通勤しているなどがあります。


Q.人事異動で主任を店長に抜擢して、他県の店舗から都内の店舗に異動することにしましたところ、引越しが必要となるので拒否されました。強制できるでしょうか

A.勤務地の変更を伴う異動については、就業規則にどのように記載してあるかがポイントになります。「会社は、業務上の必要により、従業員に異動を命じることがある。従業員は正当な理由がある場合を除き、これを拒むことができない」という規定があれば従わなければなりません。この正当な理由の範囲ですが、よほどの理由でなければ認められることはありません。単に引越しが必要だからという理由では認められません。


Q .当社の社員で仕事中に私用メールを頻繁にしている社員がいます。何らかの処分は可能でしょうか。

A. 最近パソコンの個人保有をさせている会社が増えてきましたので、勤務時間中に業務に関係ない私用メールをする社員がいます。私用メールを行う社員に対して懲戒処分にすることは可能です。最近はメール使用に関する社内規定を作成したり、その内容を就業規則に盛り込んで整備をする企業も増えています。きちんと規定を作成して、私用メールの禁止をルール化しましょう。従業員に対する告知・教育も重要な要素となります。

 


◆ お問い合わせ先

株式会社パートナーズリンク
電話  03 − 5530 − 9041 ・携帯 090 − 6044 − 3307  
E-Mail fujisaki-tosiro@s3.dion.ne.jp