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労務・人事Q&A

<問題社員・問題事例2>

最近の企業からの問題社員や問題事例を分かりやすく説明いたします。人事・労務相談では法律上の解釈の相談もありますが、最近はどうしたらうまく組織がまとまって力を発揮できるかということが内容のパソコンメール相談・電話相談の件数が増えています。



Q、新入社員の親が会社の就業規則を見せて欲しいと言ってきました。また、残業はさせないで欲しいと人事担当者に要求してきたそうです。どう対応したら良いでしょうか。

A、最近このような親のいる社員が出現してきたそうです。「シュガー社員」とネーミングされています。過保護に育てられ自立心に乏しい社員をそう呼びます。「甘い=砂糖」の意味を込めています。ある企業で、20歳代の女性社員の仕事が遅いので、上司が時間の使い方を注意したところ「親にさえ叱られたことがない」と女性社員は急に怒り出し、翌日から出社しなくなりました。その後、母親が「本人が辞めたいと言っていますので・・」と備品の返却や必要な手続きは母親が代行したそうです。本人からの挨拶はなかったそうです。
自分の言うことが何でも通るような家庭環境で育ち、権利ばかりを主張し、周囲への配慮が欠ける社員が増えています。毅然とした態度で叱るべきときは叱ることが必要です。利益をあげるための組織である企業には、上下関係や守るべきルールがあります。これを壊すような社員の存在は他の社員のモラルを下げることになるからです。
当然ですが、会社は親に就業規則を見せる必要はありませんし、残業の必要性があれば残業指示をすることができます。


Q、優秀な管理職社員がいるのですが、部下を注意することができません。部下を叱ることは嫌だと本人は言っています。

A、これも最近の傾向として大きくクローズアップされています。特に30歳代の管理職社員は、部下を叱ることが苦手な人が多いようです。原因は本人が幼少期から学生時代にかけて、叱られることや叱った経験がないからでしょう。そのまま企業に就職して管理職になったときに直面する問題です。
そのような管理職社員は部下に仕事を指示しても「嫌です」と断られてしまい、自分で全部の仕事を担当することになるケースもあるようです。本来はそのような断る部下を叱るべきですが、それができないので自分で多くの仕事を抱えこんでしまうのです。
このような管理職社員の対応ですが、管理職のセミナーで「叱る」ことができるようにするセミナーの人気があるそうです。会社で責任を持って教育するしか打つ手はありません。
また、ある人事担当者は採用時の問題だと話していました。だから叱ることのできるタイプを採用する方針を固めたと話していました。団体競技のキャプテン等の経験の有る者を優先して採用したいそうです。
ところで、叱ることだけでなく、ほめることが苦手な管理職社員もいます。ほめることによってどんなに部下のやる気が出るかを理解していないようです。ほめることが苦手な管理職社員には、部下に言葉をかけることを意識させましょう。言葉をかけないことは、相手を無視していること・無関心であることにつながります。


Q、業務での問題が店舗で発生しても本社には悪い報告が上がってきません。評価が下がることを嫌がっているようです。

A、これも最近の傾向かもしれません。良いことしか報告せずに悪いことは隠す傾向がある感じがしています。ある新入社員が「会社に悪い報告をすると評価が下がるので絶対にしないし、先輩社員からもそう教えられた」と話していたのを聞いたことがあります。これからの企業教育は、このような社員がいることを前提に行わなければならないでしょう。
報告・連絡を常に行って情報を共有すること、独断で行動せず相談することなどは組織の基本です。まして、ミスや不都合など、悪い報告をしないのはかえって損害を拡大することになりかねません。評価を気にするあまり重要事項を隠すのは、自己の保身のために組織を犠牲にしているといえます。
特に、風俗営業法の改正により、1店舗の独断の対応が原因となり、全店舗の営業取消が発生しています。正規の部品交換を行った店舗でさえ、無承認変更のために長期の営業停止処分を受けた事例があります。軽率な独断行動は大きな被害をもたらします。上司・本社に報告・連絡・相談をするという慎重な姿勢が必要です。
対策は日常での報告・連絡・相談の指導を強化するということや、研修の機会を設けて教育することです。さらに、報告をしないで損害を会社に与えた場合は懲戒処分をすることを警告することです。
また、報告を受ける上司の役割が重要です。部下の悪い報告を、しっかりと受け止める上司でなければ部下は悪い報告をしません。うまく情報が本社に流れて来ないケースでは、本社の対応の仕方に何らかの問題があるはずです。情報流通の仕組みを再検討して、日ごろから部下の報告・相談などにはきちんと対応するよう心がけましょう。


Q、入社時の身元保証書を提出しない社員がいました。採用取り消しの措置を行っても良いでしょうか。

A、就業規則に身元保証書を提出する義務を記載し、提出しない場合は採用取り消しをすることを明記しておきましょう。これであれば会社として強い姿勢で採用取り消しをすることができます。


Q、社宅の入居は既婚女性には認めていませんが、問題となりますか。

A,社宅は福利厚生の措置の一つです。福利厚生などの労働条件は男女平等でなければなりません。したがって女性であることを理由として男性と差別することは均等法違反となります。


Q、私用メールを業務中にも送る社員がいます。これはどう対応すれば良いでしょうか。

A、社内メールの私用に関しては、はなはだしい場合は会社施設の使用(不正使用)、職務専念義務違反を理由に処分が可能です。私用禁止の規則が定めてあれば、規則違反を問うことができます。
ところで、私用メールでも度が過ぎた内容のものを間違って他の人に送り、懲戒解雇された公務員の例もあります。社会人として常識外れのメールは出すことは控えるべきでしょう。


Q、休日返上で部下を働かせている管理職がいます。部下の疲労が激しいようです。営業成績を上げたいという気持ちは分かりますが・・。

A、長時間労働をさせることは、企業にとって大変にリスクのある行為です。いわゆる過労死、過労自殺など、企業の安全配慮義務違反が問われる事例が増えています。会社のみならず、直属の上司も被告として訴えられ、会社と連帯して損害賠償を命じられているケースもあります。
管理職研修では、部下の時間管理、健康管理の重要性を周知徹底し、また、管理職の評価に際しては部下の健康への配慮なども盛り込むべきでしょう。業務上だけに限らず、疲労が原因で通勤時に交通事故等が発生した場合には、上司だけでなく会社の使用者責任も大きく問われます。


Q、正社員としては能力が著しく落ちる者をパート社員に変更することは問題ないでしょうか。

A、大いに問題あります。この変更は正社員としての雇用契約を終了して、新たにパートタイマーとして契約を結ぶということになります。この変更は会社が一方的に行うことはできません。解雇よりはパートタイマーにするほうが穏便だからと、このようなことを提案する会社がありますが、そのことによって良い結果が得られるケースに遭遇したことはありません。パートにされた社員の不満・不平は店舗のムードを悪くする原因となります。さらに、まじめに働いている正社員も、いつか自分もパート社員に変更されるのではないかと不安になります。
このようなケースでは、強引にパートタイマーにすることを考えずに、正面から能率・能力の向上のトレーニングをして、それがだめなら解雇という方針を立てるべきでしょう。脅かしで「社員でだめなときはパートタイマーに降格するぞ」という管理職がいますが、これは一方的な労働条件の変更となるので法的には無効とされます。
ただし、本人が家庭的な事情で正社員としての通常の勤務時間では仕事できないケースで、パートタイマーになることを申し出た場合は検討が必要でしょう。このケースでは両者の合意があれば問題とはなりません。


Q、先日、ある従業員から会社は労基署に残業の届けを出しているのかと質問されました。何のことでしょうか。

A,残業を合法的に従業員に行わせるためには労基署に36協定(サブロク協定)を提出しなければなりません。このことをこの従業員は言っているのでしょう。会社は毎日の残業を定期的に労基署に報告する必要はありません。1年に1回でかまいませんので残業が必要な理由等を書いて労基署に提出します。そして、就業規則にも会社が必要とする場合は、従業員に残業をさせることがあると規定しておきましょう。これにより合法的に残業をさせることができます。残業命令を業務指示として出すことが可能となります。また、従わない従業員には懲戒処分もできるのです。
ただ、気になるのはこのようなことを会社に質問する社員の考え方です。会社に何らかの不満があるはずです。上司がゆっくりと話を聴く時間を取らなければならないでしょう。


Q、裁判所から、会社にある社員の借金をサラ金業者に直接支払うようにしなさいという書類が送られてきました。借金をした社員の給料の4分の1をサラ金業者に払う手続きを会社が行うようにと書いてありました。このようなことがあるのでしょうか。

A、裁判所から送られてきた書類なのでびっくりするでしょうが、そのような事例があります。サラ金会社やクレジット会社が、会社を第三債務者として借金をした社員の給料の差し押さえを請求するケースです。給料の4分の1までを差し押さえられます。これを直接に会社がサラ金会社等に支払うのです。会社としては事務手続き等が増えるので迷惑に思うでしょうが、これを理由にはこの社員の解雇や懲戒処分はできません。このようなケースに初めて対応するときは弁護士に相談しましょう。


Q、当社の男性社員が同じ店舗の女性社員と不倫関係となりました。取締役は不道徳を理由に解雇するように言うのですが、問題ありませんか。

A,このような理由では解雇できません。たとえ不倫関係でも、私的な行為であるので会社がとやかくいうことはできません。ただし、それが原因で「仕事がすすまない」「周りに悪影響を与える」といった実害がある場合は注意や処分ができます。実害があるケースでは、どちらか一方の店舗異動等の処置をする会社が多いようです。


Q、仕事中に社員同士がけんかをして負傷した場合は、会社が責任を取らないとならないケースもあるのでしょうか。

A、けんかの原因が業務であれば、業務上の事故となります。上司と部下が仕事をめぐって口論をして、けんかをして相手にケガをさせたケースでは、会社の責任を問われることになります。使用者責任は免れることができません。負傷させた場合の治療費・休業補償・慰謝料などの支払いをしなければならないことがあります。(通常では被害者は加害者の方に請求します)
また、けんかのケガの治療代・休業補償などが労災保険から支給されるケースがあります。個別の対応となりますので、事件が発生したらすぐに労基署に相談しましょう。


Q、ある店舗ですが新入社員がなじめず、すぐに辞めてしまいます。退職の理由は人間関係だということです。その店舗の離職率が異常に高いことを心配しています。

A、チェーン店で店舗ごとの離職率を出すと、ある店舗が異常に高いことがあります。これは、会社の仕組みに問題があるというよりは、店舗の人間関係に問題があるケースが多いのです。新入社員を丁寧にトレーニングする機会がなかったり、激励の言葉をかけたりする社員がいないと退職のきっかけとなります。改善するきっかけの一つは「あいさつ」を明るく・元気良く行うようにすることです。そして、定期的に新入社員の話を聴く場を設けることです。店長が時間を取って、本人の話を聴くことに重点をおきましょう。新入社員の不安が、話を聴いてもらうことで解消されるはずです。また、自分に関心を持ってくれていたことが分かると新入社員も期待に答えようとするはずです。
ただ、店長自身のマネジメントスタイルに問題があるケースでは、簡単には解決できません。店長の異動や交代も対応策に入れる必要もあるでしょう。


Q、いきなり辞表を持ってきて、今日付けで退職させてくれといってきた社員がいます。このような場合はどう対応すべきでしょうか。

A,このような事例は、どのような会社でも必ず発生する問題です。法律上の解釈を正しく説明すると、退職については従業員の自由であるとされています。会社の許可は必要ではありません。もし、会社が退職を認めないと、憲法の「職業選択の自由」違反とされます。もちろん、会社が退職しないように説得することは自由におこなってかまいません。
仮に、会社が退職を認めない場合は、民法では退職の申し込み後2週間で正式に退職できると規定されています。2週間を過ぎたら本人が拒否すれば働かせることは不可能になります。
このようなことを防ぐには、就業規則に「退職届は1ヶ月以上前に提出すること」と規定して、会社のルールとして守らせるように指導しましょう。業務引継ぎや人員補充には1ヶ月以上必要だからです。民法の規定では退職の最低2週間前に提出すれば良いのですが、それ以上の規定をモラル規定として多くの企業が定めています。中には退職届けは2ヶ月以上前に提出することを求めている会社もあります。


Q、これまで店舗数が少なかったので転勤を行ってきませんでした。社員を転勤させる際に注意することはどのようなことでしょうか。

A、採用時に勤務地の限定をしていないことがポイントとなります。仮に、勤務地の限定をしているのでしたら、転勤は本人の同意がないと行うことはできません。また、職種の限定をしているケースでも他の職種に就かせる際は本人の同意が必要です。経理業務で限定採用しながら、ホール業務に異動させるようなケースです。このような特別の約束をしていないのでしたら、会社は業務上の必要に応じて転勤・異動を命じることができます。
ところで、転勤を命じる際の通勤時間の限度ですが片道2時間程度までは法律では許容範囲で許されるものとされています。また、単身赴任や家族含めての住居の引越しを伴う転勤も、業務上必要とされるのでしたら業務命令として出すことができます。
ただ、ES経営(社員満足経営)の視点から検討することも必要です。結婚したばかりの社員、赤ちゃんが生まれたばかりの社員、介護をしなければならない親がいる社員等には、配慮が必要です。(法律の条文でも育児・介護する者に会社が配慮しなければならないと定められています。)このような社員はプライベートでのストレスが大きい状況です。これに転勤による住居の変化と新しい職場でのストレスが重なると仕事で成果を上げることが難しくなります。
このようなプライベート情報を知っていて活用することも、転勤を伴う人事異動をするさいには重要なことになります。社員が元気に仕事をできることが業績の向上につながるからです。


Q、部下に対して言葉遣いがひどい店長がいます。暴言や侮辱的な言葉を使うのです。どのような対応をすれば良いでしょうか。

A、このような状況をパワー・ハラスメントを略して「パワハラ」といいます。上司が、職務上の権限を濫用して行う嫌がらせを指しています。ささいなミスをあげつらう、罵倒する、侮辱する、脅迫する、業務上の必要な情報を意図的に伝えない、実行不可能なノルマを強要する、意味がない仕事を与える、あるいは全く仕事を与えない、暴力を振るうなどさまざまなケースがあります。
パワハラの認定は難しいのですが、いじめられた従業員が損害賠償請求をすることもあります。その際に、会社が使用者責任を問われることもあります。
問題とされる店長の言動の内容や程度にもよりますが、店長を職務から外す対応が必要なケースがあります。マネジメント手法の問題でなく、店長の言動が違法な嫌がらせと判断されるレベルに達しているのでしたら、権限濫用行為として懲戒処分の対象となります。


Q、人事考課で下位の評価を受けた社員を一律に解雇することは可能でしょうか。

A、ある企業で、人事考課の順位の下位のものを一律に解雇しようとしたケースがあります。裁判所は一律には解雇できないと判断しました。解雇の要件の一つとして、「著しく労働能率が劣り、向上の見込みがない場合でなければできない」とされているからです。


Q、売上金を横領した社員がいます。判明した金額は1万円以下ですが、常習犯だったようです。解雇可能でしょうか。

A、横領など金銭上の不正行為については、その立証が難しいことが多いのですが、不正行為の立証ができれば、金額の多寡にかかわらず、懲戒解雇できるという裁判例があります。ある銀行での事例で、1万円の横領について懲戒解雇を有効としました。
パチンコホールでも、現金の不正は厳しく対応しています。売上金、落とし金、財布の忘れ物等の管理で不正があった場合は厳しく対応することを就業規則に記載しています。また、社員教育でも会社のルールを厳しく教えることが重要です。


Q、職場の懇親会でカラオケ店を利用した飲み会で女性社員に抱きつく上司がいました。

A、このような飲み会でも上記のような行為はセクハラとされます。また、上司という地位を利用して行った行為とされるので、会社に損害賠償の支払いを求められることがあります。たとえ、上司が単独で行った行為であっても、セクハラについては、会社の責任が同じように問われます。管理職には注意喚起を強化しましょう。


Q、業務に集中しない女性社員がいて困っています。業務時間中の私語が多く、私用メールも出しているようです。また、トイレ休憩の回数が多く、業務のスピードも遅いです。解雇しても問題とならないでしょうか。

A、本来、従業員は業務時間中にはその職務に専念しなければなりません。このケースは明らかに職務専念義務違反といえます。このような状況では、上司がその現場において、注意をその都度行うというのが鉄則です。本人が間違っていることを分からせないとなりません。そして、このような社員を解雇するためには、具体的な注意を重ね、処分を行い、記録を残すことが必要となります。


Q、当社のある店舗では古参の社員が派閥をつくり、気に入らない者をいじめているようです。

A、このような店舗では会社の業績よりも、自分たちの利益が優先される傾向があります。会社の知らないルール違反や不正などが隠されているケースもあります。派閥解消のために大規模な配置転換が必要でしょう。より良い職場を作るためには強硬策も必要な場合があります。


Q、女性社員にのみ制服の着用を義務付けています。法的な問題となることがありますか。

A、均等法違反とはなりません。ただ、常識以上にスカート丈が短いようなケースでは、セクシャルハラスメントに関する配慮義務を怠っているとされる場合があるかもしれません。女性社員の意見も聞いて制服の採用をすれば、この配慮義務をしたことになるでしょう。


Q、協調性に欠ける社員がいて、店長が困っています。朝礼などでも反抗的な態度を示すことがあります。

A,職場ではチームワークが必要とされます。そのチームワークは各人の協調性がなくては維持できません。極めて身勝手な人間がいると、会社としての秩序を乱す結果になることは明らかです。このような著しく職場環境を悪化させる原因を作る社員に対しては、この社員が取った具体的な行動と会社がこうむった被害を明確にすれば解雇可能です
ただ、朝礼等で反抗する態度を見せるのは本人のパフォーマンスのケースがあります。協調性がないという態度を見せることによって、周囲に自分を注目させ無意識のうちに満足しているのです。このような社員に対しては面接などで話し合い、当人の長所を認めてあげる努力と姿勢を会社は忘れてはなりません。

 


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