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労務・人事Q&A

<モチベーション向上策
      〜ほめること、認めること、話を聴くこと〜>

(解説)

人事コンサルタントとして評価制度や就業規則等の作成の依頼を受けています。労務トラブルの相談もあります。共通して感じることは社員間や部門間・上司と部下の会話スタイルの未熟さです。もともとの人間関係ができていないので解決方法が難しくなっています。どうしたら人間関係が良くなり、部下のやる気を引き出せるかを今回のテーマにしました。私が講師をしている管理職対象のマネジメント能力向上セミナーの中から出てきた質問を中心にお答えいたします。


Q、ほめると天狗になるので、ほめないほうが良いと思っています。先生の考えを聞かせてください。

A、そのような天狗になる人もいることは確かです。しかし、多くの社員は、ほめられるとどんどん仕事をしてくれるはずです。 「子どもは叱るよりほめて育てよ」と言われます。これは子育てに限りません。社員の育成においても非常に効果的です。短所や弱点、できていないことばかりを指摘していると自分から仕事をする社員は育っていきません。仕事に自信が持てなくて、いつも上司に怒られないことだけを考えて仕事をする社員になります。山本五十六連合艦隊司令長官の言葉で「やってみせて、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」という言葉があります。人を動かすには、仕事をしっかりと教えてほめることが重要なのです。


Q、部長から私はほめられたことがありません。会議ではいつも怒られています。ほめることをまず部長からはじめて欲しいです。

A、ほめ言葉が苦手な管理職社員が多いのです。これは習慣がないことが原因です。ほめる社風がなく、本人も過去の人生体験でほめられたことがないのです。だから、重要性が分からないので、部下に対しても使うことがありません。 例えば、「さすが」「すごい」の言葉を一言いうだけでも、部下はさらにがんばる気持ちになります。また、部下が上司に言われて一番うれしいのは「ありがとう」の言葉だそうです。 この問題の解決策は社風の改革しかありません。ほめ上手な人を管理職に抜擢することや、社員研修でほめる研修を実行することをやってみましょう。もちろん、社長や部長も参加するようにしましょう。

 


Q、簡単にほめることができるやり方を教えてください。

A、部下の行動で良いと感じるようなことがあったら、ささいなことでも、ほめ言葉をその場で口に出すことです。「いいね」の繰り返しだけでも効果があります。 ただ、自分の仕事に厳しい人は部下にも厳しいので、どのような仕事をしても部下のことをほめることができません。自分を基準にすると、まだまだと不足のところが気になるからです。そのようなときは、部下の仕事や行動を認める言葉をかけましょう。例えば、ある社員は上司に「朝いつも早いね!」と言われたことが、とてもうれしかったそうです。それからも、遅刻しないように定刻の30分前には会社に入るようにしているそうです。 大切なことは、いつも関心を持って部下を見ていることです。「愛情」を持って部下と接していると、小さな変化にも気づくことができます。すると、「ほめたり」「認めたり」することができるようになります。人は無関心が一番悲しいのです。どんなに苦しくても店長の気遣いがあるから、がんばれるという社員もいるのです。


Q、ある部下が上司の私は話を聞いてくれないと、他の人にはこぼしているようです。部下とのギャップを感じます。

A、とても簡単にすぐできる解決策をアドバイスします。部下と話をするときに、あいづちを打つことなのです。部下の話の途中に「なるほど」「へえ〜」「そうか」とうなずきながら話を聞きましょう。このことにより、部下は上司にきちんと受け止められていると感じることができます。 上司は意見を先に言いたくなりますが、我慢することです。これだと、「でもね」「しかし」と相手の話を否定する言葉が口に出て話の腰を折りかねません。すると、部下は安心感を持つどころか「話さなければ良かった」という気分になり、逆効果です。 まずは、どのようなことでも「なるほど」と受け止めることから始めましょう。簡単なことですが、大きな効果があります。


Q、部下と話をしていても、納得させることができません。どうしたらよいでしょうか教えてください。

A、部下を最初から理論で納得させようとしないことです。まず、部下の話をきくことから始めます。あいづちが重要です。もう一つ重要な「繰り返し」というテクニックがあります。話をしていると、部下の表情から話しのポイントが分かることがあります。その言葉をあいづちの後で繰り返すのです。例えば、「寝ないでがんばりました!」という社員がいたら、あいづちを打った後で、「寝ないでがんばったね!」と相手の言葉を繰り返すのです。このことによって部下は「話を聞いてもらえている」と感じることができて、安心感が生まれるのです。充分に受け止めてもらっていると感じるので、その後のアドバイスや提案を素直に聞くことができるようになります。


Q、管理職をしていますが、私には話しを聞いてくれる上司がいません。だから、ストレスがたまると部下や妻に厳しく接するようです。どうしたら良いでしょうか。

A、管理職は責任が重く、長時間労働なのでストレスがたまりやすいのです。かつ、問題が発生したとしても気安く相談できる上司はいないケースもあります。会話をする人さえ同じ会社にいないという人もいました。だから、そのストレスで部下や妻にあたることになるのです。 ある電気会社では、人事制度の仕組みの中にこのようなストレスがたまっている社員の話しを聞いてくれる制度があります。外部の専門のキャリアコンサルタントに話しを聞かせるのです。もちろん、その内容は会社には伝わりません。だから安心して気安く何でも話ができるのです。 また、その他の会社でも福利厚生の向上策として、社員旅行の復活、社員運動会の復活、社員寮の復活を始めています。毎月、一回は社内行事で飲み会を開催する会社も多くなりました。職場の雰囲気を良くして、管理職自身のストレスを解消するためにも必要なことでしょう。  ちなみに、私のセミナーを受講するとストレスが解消して楽しくなるそうです。終了後の飲み会も楽しみだそうです。

 


Q、このような相談を先生にするのは変ですが、最近会社のムードが悪いです。仕事をしていても楽しくありません。

A、まずは、自分だけでも明るくする言葉を使ってみましょう。朝起きたら鏡を見ながら「やるぞ!」と言葉を声に出してみましょう。会社では、会う人ごとに、元気よく「おはようございます!」のあいさつをしましょう。最初はひとりだけでも、だんだんに周囲が変わっていくはずです。

 


Q、社長が怒ってばかりいます。私だけにではなく、会社の全員です。どのような対応をすればよいでしょうか。

A、社長から怒られたときでも、明るくふるまうようにしましょう。豊臣秀吉は上司の織田信長に叱られても、大きな声で「申し訳ございません」と答えたそうです。あるときは、怒られた後に自宅で宴会をして遊んだそうです。上司から見て、後味の良い叱られ方が上手だったそうです。前向きに怒られることが、人間関係を良くする秘訣です。 昔、私の部下で叱っても「はい、ありがとうございます」という新入社員がいました。幼いころからの習慣になっているようでした。「アドバイスをしていただいてありがとうございます」という意味があるそうです。このように、社長の言うことはすべて肯定的に受け止めるのです。すると、前向きに物事をとらえる姿勢ができるようになります。社長の怒りの言葉に萎縮しないようにしましょう。自分自身の心を小さくしないことです。社長に怒られても「社長が大声で怒ることができるのは、元気な証拠でうれしい!」そのような気持ちを持ちながらその場にいると余裕が持てるようになるでしょう。(そのようなことを話している部長に会ったことがあります)

 


Q、最近、食事時の話題は会社の経営に対する不満やグチばかりです。上司の批判も多くなりました。昔はこのようなことがなかったのに残念です。

A、私に直接この相談をしてくる人がいました。アドバイスは、そのような場所には行かないことです。会社の指示事項が難しくても、他の人の前で言葉に出してはいけません。会社や幹部の批判は決して言ってはなりません。それを周囲の人は同意したように聞いていますが、次第に言っている人を信頼しなくなります。業績不振のときなど、他の人に責任を転嫁することがあります。「上司が悪い!部下が悪い!他の部門が悪い!本社が悪い!(自分は悪くない)」と言うのです。悪口やグチは伝染病のように広まるそうです。だから、このような社員が30%以上いると会社はつぶれてしまうそうです。

 


Q、店舗を元気良くするのはあいさつだと先生は言いますが、今の若い人はあいさつができていません。

A、あいさつをなぜしないとならないのかを、まず考えさせることです。セミナー形式のほうが良いでしょう。私のセミナーでは「上司があいさつをしてくれなかったらどのような気持ちになりますか」という質問を全部の受講者にするようにしています。すると、率直な意見が聞けるので、そのセミナーの受講者は驚いています。「悲しい気持ちになる、仕事をする気が無くなる、中には会社を辞めたくなる」などという声が挙がってきます。  今度は、「部下があいさつをしてくれないと上司はどんな気持ちになるのか」を聞いてみます。「怒りたくなる、仕事を教えたくない、何か仕事で失敗したのかと心配する」など上司の声が聞こえてきます。このようにあいさつしないことで、悪い結果が起こることを理解させると、あいさつをする目的が分かるようになります。


Q、あいさつの重要性は分かっていますが、どう教えたら良いでしょうか。

A、トレーニングがうまくいく6個のステップがあります。このステップで教えるとうまく行きます。下記となります
1、目的を教える〜ただ、やるべきことを教えるのではなく、そのことがどのような効果があるのかを教えます。
2.ポイントを教えること〜 店長自身がポイントをつかんでいることが大切です。   〜たとえば、あいさつのポイントは明るく元気良く、態度もさわやかにして先に行うことです。
3.やってみせる(率先垂範する)〜店長がやってみせます。
4.業務をやらせてみる〜部下にもやってもらいます。そうすると、できている部分、できていない部分がわかります。
5.評価し、助言する〜できている部分はほめ、できていない部分は改善させます。
6.その後を観る〜ちゃんとできているかどうか観察します。良い習慣をつけさせることが大切です。


Q、あいさつをしっかりする元気の良い会社にしたいのですが、なかなか難しいです。

A、いろいろな会社を訪問して話を聞くと「社員はあいさつもろくにできない」などという管理職がいます。そのような管理職の行動を見ていると、部下にあいさつやねぎらいの言葉をかけることがありません。つまり、自分でもできていないことを部下にやらせようとしているのです。自分からやらない上司の言うことを部下が本気で取り組むわけがありません。 また、最初は一人がどんなにがんばってもなかなか思ったとおりにいかないことが多いのですが、くじけずに繰り返しましょう。次第に部下にその思いが伝わるようになります。率先垂範・凡時徹底を貫くことです。


Q、管理職として店舗の社員の不満をなくしたいと思っています。先生から良いアドバイスをお願いいたします。

A、もし、一つだけアドバイスをするとしたら、仲間同士の心の交流の機会を持つことでしょう。具体的には、最初はきちんとあいさつをすることや話を聞く場を持ってあげることです。 不安要因は人それぞれですが、人が社会の中で生きていることを考えると、共通するのは自分が存在する社会の中で必要とされているかどうかです。この不安を軽減するためには、あいさつや話を聞くことにより相手の存在を受け止め、その言葉に耳を傾けることです。なぜならそれによって人は「受け入れられている」「ここにいていいんだ」と自分のいる職場に自分の存在を感じることができるからです。  気合で乗り切れという精神論も時には必要かもしれません。でも、それよりも部下にとってうれしいのは、しっかりとあいさつをして話を聞いてくれる上司の存在なのです。


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