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労務・人事Q&A

<裁判員制度>

 

裁判員制度が始まりました。従業員が裁判員に選ばれた場合のルールを決めて、就業規則や社内規程の整備作業を進めている会社が増えています。休暇制度や給与面における処遇についてトラブルを避けるのが目的です。


Q、裁判員制度とはどのようなものですか。

A、裁判員制度は国民が裁判に参加して、被告人が有罪かどうか、有罪の場合はどのような刑にするのかを裁判官と一緒に決める制度です。原則として裁判員6人と裁判官3人が、評議を行い、判決を宣告します。裁判にかかる日数は3日以内が約7割とされています。残り3割も5日以内の日数になる予定です。


Q、裁判員制度ではどのような事件の裁判をするのでしょうか。
A、地方裁判所で行われる刑事裁判について導入されます。対象となる事件は、一定の重大な犯罪です。例えば、殺人事件や営利誘拐事件、放火事件などです。


Q、裁判員はどのように選ばれるのでしょうか。
A、最初に裁判員候補者の名簿が作成されます。選挙管理委員会がクジで選んで作成します。名簿に記載されたことは本人に通知されます。この中から、事件ごとにクジで裁判員候補者が選ばれます。裁判の6週間前になると、この候補者に質問票を送り、裁判に出席が可能かどうかの確認をします。裁判の当日は、出席可能な者全員が裁判所に行きます。午前中のうちに面接とクジで裁判員と補充裁判員が選ばれます。


Q、裁判員になることは辞退できないのでしょうか。
A、原則として辞退できません。ただ、例外として辞退できる場合があります。重い疾病や傷害のある者や、介護しなければならない同居者がいる者などは辞退できます。
また、仕事を理由とする場合でも辞退できるケースがあります。可能な事例として挙げられているのは、「株主総会時期の経営者」「ダイヤ改正時の鉄道業」「成人式シーズンの美容師」「接待担当の不在が認められない営業職」「インフルエンザや花粉症時期の医師」「年度末や学期末の教師」などです。この辞退が認められるかどうかの判断は裁判所が行います。


Q、裁判員候補者として裁判所に行ったとしても、裁判員に選ばれなかった場合はどうなるのですか。
A、裁判員に選ばれなかった場合は、そのまま帰ることになります。約100名程度を裁判所に呼び出すそうです。裁判当日に全員を面談して、その後クジによる抽選で裁判員(6名)と補充裁判員(2名程度)が選ばれます。裁判員に選ばれない裁判員候補者のほうが多いのです。


Q、裁判所に呼ばれた場合に、行かないと罰則があるのでしょうか。
A、正当な理由もなく裁判所に来られない場合、10万円以下の過料に処せられることがあるそうです。


Q、裁判員になったらどんなことをするのですか。
A、次の三つの仕事をします。
@公判に立ち会う〜刑事裁判の法定(公判といいます)に立会い、判決まで関与することになります。
A評議、判決を行う〜証拠をすべて調べた後に、被告人が有罪か無罪か、有罪だとしたらどのような刑にするべきかを裁判官と一緒に議論(評議)し、決定(評決)します。
B判決宣告をする〜評決内容が決まると、法廷で裁判長が判決を宣告し、裁判員としての仕事は終了します。


Q、報酬がもらえると聞きましたが。どれ位の金額でしょうか。
A、報酬ではなく、日当という表現がされています。これは、労働の対象ではないからです。裁判所に行くために諸雑費がかかるということから支給されるのです。その金額は、裁判員には「1日1万円以内」、裁判員候補者には「1日8000円以内」の日当が国から支給されることになっています。また、交通費も実費で支給されます。さらに遠方等で宿泊が必要な場合には「宿泊料」が支払われることがあります。


Q、裁判員になったことを会社に申告する義務があると、社内規定で定めても良いのでしょうか。
A、問題ありません。裁判員になったことや裁判員候補者になったことを公にしてはなりませんが、公とは不特定多数または多数の知り得る状態に置くことをいうと解されています。したがって、従業員が会社に対して休暇の取得のために裁判員等に選任されたことを話したとしても違反にはなりません。


Q、会社は裁判員として、本人が出頭したことの確認はどうすれば良いのでしょうか。
A、裁判所では、裁判員等選任手続きの期日に裁判所まで出頭した者については、呼び出し状の出頭証明書欄に証明スタンプを押印することにしています。この呼び出し状のコピーを会社に提出させることで確認できます。


Q、裁判員休暇規程を作成する上でのアドバイスをお願いします。
A、モデル条文は次のようになります。(一部分の抜粋です)会社に対する届出義務を明記しましょう。

〜裁判員候補者として選任された場合の届出義務〜
社員が、裁判員候補者名簿に記載された後、裁判員選任手続きのための呼び出しを受けた場合には、少なくともその出頭期日の4週間前までに会社へ届け出なければならない。届け出に当たっては、所定の「裁判員休暇取得届出書」に呼出状の写しを添付したうえで、所属長を経由し人事部宛に届け出るものとする。


Q、裁判員制度での各会社の対応はどのようなものになっているのでしょうか。教えてください。
A、労働者が、裁判員として、裁判所に出頭することは、国民としての義務ですから、それを会社が出頭させないということはできません。したがって、会社としては何らかの対応をしなければなりません。大きくは次の3つのケースで対応することになります。
1、公民権の行使
裁判員候補者または裁判員として裁判所に出頭することは、公民権の行使になります。労働者が労働時間中に裁判員候補者または裁判員として裁判所に出頭するために必要な時間を請求した場合には、使用者は、公民権の行使として、これを拒んではならないことになります。(労基法7条)なお、この場合に、その時間に対応する賃金について、有給とするか、無給とするかは、会社内のルールにゆだねられています。

2、年次有給休暇を請求する場合
労基法39条に基づく年次有給休暇を申請した場合には、有給で労働の免除を認める必要があります。

3、法定外休暇(特別休暇)として認める場合
企業の対応は、法定外休暇として認めるケースが多いようです。社内制度としての法定外休暇(特別休暇など)の中に、裁判員のために裁判所に出頭することを休暇事由に盛り込むという方法です。法定外休暇として処理される以上は、裁判員としての選任結果や裁判員裁判の審理の経過に応じて休暇日数を指定したり、休暇申請にあたってその具体的理由や証明書類の添付を義務づけるなど、社内の自主的なルールによる運営・管理が可能となります。
  裁判所は、法定外休暇制度の導入を推奨しています。また、あるアンケート調査によれば、約9割の企業が裁判員となって仕事を休務する場合は、有給扱いとするというデータが出ています。


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