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労務・人事Q&A

<改正最低賃金法>

 

賃金の最低額が法律で保障されています。最低賃金法という法律です。国が賃金の最低限度額を定めています。会社は、その最低賃金額以上の賃金を働いている者に支払わなければならないという法律です。この法律の改正があり、平成20年7月から施行されています。


Q、この法律の目的を教えてください。
A、憲法25条1項において、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」という生存権が保障されています。最低賃金法は、この憲法で保障されている生存権を具体的に表現した法律です。今回の法改正では、生活保護の水準と最低賃金の水準との整合性を取ることも規定されました。いわゆるワーキングプアをなくしていくことも目的としています。


Q、最低賃金はどのように示されているのでしょうか。
A、時給で示されています。日給で賃金を支払うケースでは、日給を時間で割って時給換算して最低賃金より多くなることが必要です。例えば、日給5,500円で、8時間働いたとします。すると、時給換算すると687.5円となります。この時給だと東京都では最低賃金法違反になります。しかし、同じ時給でも違反にならない県もあります。


Q、東京都内に店舗がありますが、他の県とは最低賃金は違うのでしょうか。
A、毎年10月頃に最低賃金額の改定があります。東京都の平成20年10月の新しい最低賃金額は766円になっています。神奈川県も同額の766円です。しかし、茨城県では676円、富山県では677円、大阪府では748円、兵庫県では712円、岡山県では669円、福岡県では675円、大分県では630円になっています。県により大きな差がありますので、各都道府県の労働局HPを確認しましょう。


Q、最低賃金はどのように決められているのですか
A、地域別最低賃金は、労働者の生計費、労働者の賃金、通常の事業の賃金支払い能力を総合的に勘案して定められています。労働者の生計費を考慮するに当たっては、新しく生活保護に関わる政策との整合性に配慮することが法律で決められました。さらに、賃金や物価などの動向に応じて最低賃金額は毎年改定されています。


Q、この法律が適用されるのは、正社員だけでしょうか。
A、いいえ、すべての労働者に適用されます。パートタイマー・アルバイトにも適用されます。また、常時だけでなく、臨時で働く者にも適用されます。(一日だけのアルバイトにも適用されます。)


Q、経営者やその家族は、この法律の対象となるのでしょうか。
A、経営者(つまり社長や取締役)は対象とはなりません。労働者ではないからです。また社長の家族も対象とはなりません。例えば、中小企業では社長の妻が会社の総務や経理の仕事をしているケースがあります。妻が夫の社長に対して最低賃金法違反だと言うことはできないのです。労働基準法の労働者の定義と同じ考え方になります。


Q、派遣社員も最低賃金の適用があるのでしょうか。
A、あります。派遣先の地域の最低賃金が適用されます。派遣元企業が、その責任を負います。問題がありそうな場合は、派遣元企業に問い合わせをしましょう。


Q、会社の経営状況が悪いときに、最低賃金額以下で採用することは可能でしょうか。
A、会社の経営状況に関係なく、最低賃金額以上の賃金を払わないとなりません。採用時には最低賃金以上の金額を労働契約書に書いて交付しなければなりません。ところで、経営業況が悪くて賃金が払えないなどのケースがあった場合は、「賃金の全額払い」の規定の違反になります。こちらも重い罰則になります。


Q、見習い社員の時給は最低賃金より下げても良いのでしょうか。
A、「試の使用期間中の者」は最低賃金の適用除外が認められています。ただし、申請書を都道府県労働局長に提出しなければなりません。その他、「精神又は身体障害により著しく労働能力の低い者」、「軽易な業務に従事する者」なども適用除外とされています。適用除外といっても、その下げる比率は最低賃金額の20%以内とされています。その具体的な金額については、各県の労働局で相談することになります。


Q、年齢の高いパートタイマーを最低賃金額以下で働かせる場合は、労働局の許可を取れば良いのでしょうか。
A、高年齢者は最低賃金の適用除外の対象としては認められていません。最低賃金額以上を支払うことが必要になります。


Q、県で決められている最低賃金よりも低い賃金で働くことを社員が同意したら、最低賃金以下にできますか。
A、これはできません。個別の労働契約よりも法律が優先するからです。個別の契約内容は無効となります。勤務地の県で決められている最低賃金以上の賃金を払うことになります。(本社の所在地ではありませんので、ご注意ください。)


Q、最低賃金には、どのような種類がありますか。
A、地域別最低賃金と特定最低賃金があります。地域別最低賃金は都道府県ごとに決められる最低賃金額です。最低賃金というと主にこちらを指しています。特定最低賃金は産業別に決められるものですが、地域別最低賃金額より多くするように決められています。


Q、月給者の場合の最低賃金の計算の仕方はどうなるのでしょうか。総支給額を時間で割るのでしょうか。
A、総支給額に残業やその他の手当が含まれていたら、それを除いて時間で割ります。(除く手当は皆勤手当・家族手当・通勤手当です。)このようにして、時間給に直したものが最低賃金額以上にならないと法違反になります。


Q、月給者の社員に最低賃金法を守るには、いくらの金額以上を払えばよいのでしょうか。分かりやすい方法を教えてください。
A、時給で表示されている最低賃金から逆算していくやり方が分かりやすいです。例えば、東京都の最低賃金は時間給で766円です。日給だと、一日に8時間働く者には、766円×8時間=6,128円以上支払わないとなりません。さらに、月給に直す作業をします。例えば週休二日制だと22日間働くことになります。つまり、6,128円×22日=134,816円以上を支払うことになります。(30日の月で休みが月6日なら、出勤は24日になります。つまり、6,128円×24日=147,072円になります。)賃金制度を構築するケースでの基本給は、この最低賃金を超えていなければなりません。これに通勤手当や家族手当、皆勤手当などのその他の手当を付加したものが、その者の毎月の賃金になります。


Q、この法律の罰則はあるのですか
A、地域別最低賃金額を下回る賃金を支払った場合の罰金の上限額が、これまでの2万円から50万円に引き上げられました。特定最低賃金額を下回った場合は罰金の上限額が30万円になります。両方とも非常に重い罰則に改正されました。

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