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労務・人事Q&A

<定年について>

 

Q、パチンコホールの担当社員の定年を50歳とすることは可能でしょうか。年齢が高いと動きも悪くなるので、50歳で定年としたいのですが。

A、これはできません。高年齢者雇用安定法で60歳以下の定年を定めることが禁止されているからです。だから、会社で定年を50歳と規定したとしても、法律の60歳定年が適用されます。


Q、男性社員と女性社員の定年年齢の差をつけることは可能でしょうか。

A、これも法律違反となります。同じ年齢で定年としなければなりません。


Q、会社を創設して初めて、60歳に達した定年退職に該当する者が出る予定です。この社員はまだまだ元気なので、もう少し働いて欲しいのですが、その場合は定年の年齢を引き上げればよろしいのでしょうか。

A、定年の年齢を引き上げる方法もありますが、定年後に嘱託という形式で再雇用するほうをお勧めいたします。

 嘱託とは、期限付きで結ぶ雇用契約のことです。例えば、定年後にあらためて1年間の雇用契約を結びなおして再雇用するというやり方です。

 また、双方が契約の更新を望む場合は、また1年間と更新していくこともできます。更新を望まない場合は契約期間の終了日に、雇用関係を終了することができます。後述しますが、パチンコホール以外の企業も定年の引き上げではなく、再雇用をする企業のほうが多いのです。


Q、嘱託社員の給料はどのように決めたら良いのでしょうか。今までと違って週に何日か働いてもらうことにしました。だから、多少減額しても良いのでしょうか。

A、新しい契約として減額することは可能です。そして、このようなケースでは、これまでの給料よりも大幅に下がる時には、一定の割合で雇用保険の制度から「高年齢雇用給付金」が支給されます。(給料が25%以上下がったとき)また、年金をもらえるような人の場合は、年金の額と給料の合計額が一定額を超えると年金がカットされることもあります。

 複雑な法律の知識も必要となるので、ケースバイケースで顧問の社労士に相談しましょう。


Q、定年の法律が変わったと聞きました。どのようになったのでしょうか。

A、高年齢者雇用安定法という法律で、従業員の65歳までの雇用の確保の措置を取ることが義務付けられました。この法律は平成18年4月1日から施行されます。

 例えば、現在60歳の定年制度を定めている会社は、65歳までの安定した雇用を確保するために、次の(1)〜(3)までのいずれかの措置をとらなければなりません。

(1) 継続雇用制度(再雇用制度、勤務延長制度)の導入

(2) 定年年齢の引き上げ

(3) 定年の定めの廃止


Q、継続雇用制度とは何ですか。

A、継続雇用制度とは、会社が現に雇用している労働者が定年に達した時点で、本人が希望した時は、その者を定年後も引き続いて雇用する制度のことを言います。継続雇用制度には次の二つの制度があります。

(1)再雇用制度〜これは、定年になると、いったん退職させたのちに、正社員として、もしくは嘱託やパートなどに社内の身分を変えて、1年ないし数年間の雇用契約を結んで、再び雇入れるものです。

(2)勤務延長制度〜これは、定年年齢が設定されたまま、その定年年齢に到達した者を離職させることなく、引き続き雇用する制度です。もともとの雇用契約は継続されます。

 二つの制度のうち、企業アンケートの結果で(1)の再雇用制度を利用する企業の割合の方が多くなっています。約7割が再雇用制度、約2割が勤務延長制度となっています。(残り1割は定年の年齢の引き上げとなっています。)


Q、18年4月の法律の施行時には、就業規則等の変更が間に合いそうにありません。その場合は何か罰則があるのでしょうか。また、どれくらいの企業が対応をしているのでしょうか。

A、企業が適切な雇用確保措置の導入等をしていない事実を国が把握した場合には改正法9条違反となります。このような場合には公共職業安定所(ハローワーク)を通じて実態を調査し、法規定にもとづき、必要に応じて、企業に対して助言、指導および勧告を行うこととされています。対応によっては、ハローワークに求人票を出すことができなくなるようなケースも予測されています。

 また、約9割の企業がこの法律の対応をするというアンケートの結果が出ています。法律の施行に合わせて行う企業が8割、既に対応済みの企業が1割です。


Q、平成18年4月1日以降、当分の間、60歳に達する労働者がいない場合でも、継続雇用制度の導入等を行わなければなりませんか。

A、法律ではすべての事業主に対して継続雇用制度の導入等を求めています。だから、そのような場合でも就業規則には変更条文を記載することが必要となります。パチンコホール企業も例外ではありません。


Q、継続雇用を希望する者について、定年後グループ会社に出向させて、出向先において65歳までの雇用が確保されていれば、親会社として高年齢雇用確保措置を行ったものとなりますか。

A、そのようなことも可能です。ただし二つの条件があります。(1)会社との間に密接な関係があること。(具体的には、親会社が子会社に対して明確な支配力を有し、親子会社間で採用、配転等の人事管理を行っていること)(2)子会社において継続雇用を行うことが担保されていること。(例えば、親会社においては定年後子会社において継続雇用することが決まっていること、子会社において親会社を定年退職した者を受け入れ継続雇用する労働慣行が成立していること)

 この二つの条件を満たすことです。パチンコホール企業では、60歳を過ぎてからのホール勤務は難しいですから、例えば新たに子会社(人材派遣会社)を設立して派遣社員として雇用する形でも差し支えありません。

 将来パチンコホール企業の中で上場を目指している企業は、法令順守をより強く求められます。このような措置も必要となるでしょう。


Q、本人と会社の間で給料などの条件が合意できずに、再雇用を拒否した場合にも法律違反となりますか。

A、これは法律違反にはなりません。会社から条件を提示したのに、社員がそれを拒否したときには、会社はそれ以上の条件を提示する義務までは法律で規定していません。(当然にこの会社が提示する条件は常識の範囲内とされています。)


Q、継続雇用制度の対象者に関わる基準を作成することができますか。全員を再雇用するのではなく、必要な人だけを再雇用したいのですが。

A、基準の作成はできます。ただし、会社と労働者(従業員の過半数代表者)との協議で決めます。再雇用する人を会社で自由に判断するのではなく、客観的に判断されないとなりません。

 また、次のような基準は適切でないとされています。

・会社が必要と認めたものに限る

・上司の推薦がある者に限る

・ 男性、または女性に限る等

 そして、適切な基準の例は次のようなものとなります。

・営業経験が豊富なもの(店舗を3店舗以上経験していること)

・過去3年間の勤務評定がC以上の者(平均以上)

・60歳定年退職時点で、当社の正社員として勤続20年以上であること、かつ、管理職または専門職として5年以上の勤務歴があること


Q、総務担当者です。今回の法改正の件で、就業規則の変更はどのようにすれば良いでしょうか

A、就業規則の定年の条文も今回の改正に合わせて改訂する必要があります。例えば、このようになります。先にアンケートの結果も示しましたが、再雇用を前提として条文の変更をする企業が多いのです。

(定年等)

第○○条 従業員が60歳に達した日ともって定年退職とする。

   2 前項にかかわらず、定年に達した従業員が希望する場合は、定年退職の翌日から引き続き満65歳に達するまで再雇用する、ただし、賃金、労働条件等については、個別に契約するものとする。

 

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