ホーム > Q&A  > 雇い止め

労務・人事Q&A

<雇い止め>


パートやアルバイト従業員 の労働トラブルが多発しています。これを未然に防止するために、厚生労働省が「有期労働契約の締結、更新及び雇い止めに関する基準」を策定しています。今回は「雇い止め」を中心に解説を致します。


Q、「雇い止め」と「解雇」はどう違うのでしょうか。

A、パートタイマーやアルバイト従業員などは、半年間や一年間などの期限を区切った雇用契約(有期労働契約)で採用している会社が一般的です。(このような有期労働契約のことを「期間の定めのある労働契約」といいます。)
そして、有期契約で契約の更新をしない場合は、「雇い止め」と表現します。解雇という表現は使いません。解雇とは、使用者の一方的な意思表示による労働契約の解除だからです。有期労働契約は雇用契約の終期が最初から決まっているので、労働者と使用者の双方の合意があるとされています。

Q、アルバイトやパート従業員は正社員と違って、いつでも解雇できると思っていました。ところが、あるパート従業員を解雇したところ期間の途中での解雇に怒って、労基署に相談に行くと言われました。解雇できないのでしょうか。
A、最近、このような問題がどのような業種でも増加しています。同じように簡単に解雇できると勘違いしていることが原因です。期間を定めて雇用されているアルバイトやパートは、平成20年3月に施行された労働契約法により、「やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇できない」と定められています。期間の途中で雇用契約を解約することは原則として許されていません。期間の定めのない労働契約の場合よりも、解雇の有効性は厳しく制限されると主張する法律家もいます。原則として契約期間中に解雇する場合は、残った期間に相当する分の休業補償をしなければなりません。


Q、パートタイマー・アルバイト従業員と有期労働契約を結ぶ際に、気をつけないとならないことを教えてください。
A、有期労働契約を締結する際に明示すべきことがあります。使用者(会社)は、有期契約労働者に対して、契約の締結時にその契約の更新の有無を明示しなければなりません。例えば、半年間の契約をしたとすると、その期間満了後に引き続いて契約するケースがあるかどうかを採用時に書面で示す必要があるのです。
そして、使用者(会社)が有期労働契約を更新する場合があると明示したときは、労働者に対して、契約を更新する場合又は更新しない場合の判断の基準も明示しなければなりません。この判断の基準ですが、例えば@労働者の勤務成績、態度により判断するA労働者の能力により判断するB会社の経営状況により判断する等があります。


Q、アルバイト・パート従業員を雇い止めする際のポイントを教えてください。
A、使用者(会社)は、有期労働契約を更新しない場合には、少なくとも契約の期間が満了する30日前までに、その予告をしなければなりません。(最初から契約を更新しないことが明示されているものを除きます。)この予告の対象となる有期労働契約の事例は次の三つになります。
@有期労働契約が3回以上更新されている場合。
A1年以下の契約期間の労働契約が更新または反復更新され、最初に労働契約を締結してから継続して通算1年を超える場合。
B1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合。
  新しく@が法律で定められました。この予告をしないで雇い止めをすると、解雇予告手当を支払わなければなりません。ところで、例えば半年契約の者を半年で雇い止めするケースでは、法律での30日前の予告は必要とされていません。しかし、内部での事務手続きもあるので、それに要する日数を考慮して予告をするべきでしょう。


Q、あるパート従業員を雇い止めしたところ、雇い止めの理由の証明書が欲しいと言われました。どんな理由を書けば良いのでしょうか。
A、使用者(会社)が雇止めの理由について証明書を請求された場合は,これを交付しなければなりません。雇止めの理由は,契約期間の満了とは別の理由とすることが必要です。例えば次のような理由です。@前回の契約更新時に,本契約を更新しないことが合意されていたため、A担当していた業務が終了・中止のため、B業務を遂行する能力が十分でないと認められるため,C無断欠勤をしたこと等勤務不良のため等です。


Q、雇い止めのトラブルを防ぐ方法のアドバイスをお願いします。
A、採用時の雇用契約書で契約期間や更新の有無について双方が誤解の無いように確認しておくことです。これは法律で書面での明示が義務になっています。この書面に本人確認印をもらい、コピーを取って会社保管もしておきましょう。万が一の争いがあったときには、双方の誤解を解くことができます。


Q、派遣社員を期間の途中で解雇する時も派遣先企業は責任を負わないとならないのでしょうか。
A、派遣先企業と派遣社員の労働トラブルが大きくマスコミで取り上げられるケースが相次ぎました。今回のテーマの「雇い止め」なのか「解雇」なのかの理解の差や、派遣元企業と派遣先企業の責任の捉え方の違いが問題を複雑にしていると感じています。
まず、派遣契約と労働契約は別のものになります。派遣先の企業から派遣契約が解除されたからといって、派遣会社は派遣労働者を契約期間中は即座に解雇できません。派遣会社は派遣社員との雇用契約期間中は、他の派遣先を確保するか休業補償をする義務があるのです。(雇い止めでなく、契約期間中の解雇となるからです)
次に、派遣先企業の責任について、厚生労働省は新たに「派遣先の構ずべき措置に関する指針」を出しました。次のようなものです。
1、派遣契約の解除の事前の申し入れ
派遣先企業が労働者派遣契約を解除する際には、事前に派遣会社に申し入れて派遣会社の合意を得なければなりません。遅くとも30日前の予告が必要です。そうでない場合は、派遣会社に派遣労働者の賃金相当分の損害賠償をしなければなりません。
2、派遣先における就業機会の確保
派遣先は、派遣先の関連会社での就業のあっせんをするなど派遣労働者の新しい職場の確保を図ることが必要です。
3、損害賠償等に関わる適切な措置
派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることができないときには、少なくとも中途解除により派遣会社に生じた損害の賠償を行うことが必要です。損害賠償は例えば、次のように行う必要があります。

●派遣会社が派遣労働者を休業させる場合は、休業手当に相当する額以上を賠償
●派遣会社がやむを得ず解雇する場合は、次の賃金に相当する額以上を賠償
@、派遣先の予告がないために派遣会社が解雇予告ができなかったときは30日以上
A、解雇予告の日から解雇までの間の期間が30日に満たないときは、解雇の30日前の日から解雇予告の日までの期間の日数分以上
とても厳しいと感じるかもしれませんが、有期労働契約の中途解除と同じように、派遣先にも契約期間中の責任を果たすことを明示しました。


 

◆ お問い合わせ先

株式会社パートナーズリンク
電話  03 − 5530 − 9041 ・携帯 090 − 6044 − 3307  
E-Mail fujisaki-tosiro@s3.dion.ne.jp